出雲市監査委員告示
第
14
号
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第4項の規定に基づく定
期監査(財政部)を実施しましたので、同条第9項の規定により、その結果報
告書を別紙のとおり公表します。
平成27年(2015)11月
5日
出雲市監査委員
周
藤
滋
出雲市監査委員
吾
郷
紘
一
監 査 第 9 3 号
平 成 2 7 年 ( 2 0 1 5 ) 1 1 月 5 日
出
雲
市
議
会
議
長
様
出
雲
市
長
様
出雲市監査委員
周
藤
滋
出雲市監査委員
吾
郷
紘
一
出雲市監査委員
多 々 納
剛 人
定期監査の結果について(報告)
地方自治法第199条第4項の規定に基づく定期監査(財政部)を実施しましたの
定
期
監
査
結
果
報
告
書
第1
監査の対象
財政部
財政課、管財契約課、市民税課、資産税課、収納課(特別債権回収室含む)、
会計課 以上6課
第2
監査の範囲
平成26年度(2014)予算の執行状況及び事業の実施状況に基づき、財務に関する
事務の執行について重点的に監査を行った。
第3
監査の実施期間
平成27年(2015)7月22日から平成27年(2015)9月28日まで
第4
監査の方法
今回の監査は、財政部の各課から、予め監査資料等の提出を求め、財務に関する
事務の執行の観点からこれらを重点的に監査するとともに、関係職員に対する事情
聴取等の方法により実施した。
第5
監査の結果(総括)
提出された監査関係資料、予算執行起案書及び契約書その他関係書類について
監査したところ、経理事務を中心とした事務処理についてはおおむね良好であっ
たが、一部において改善・検討を要する処理が見受けられた。
具体的な各課の改善・検討を要する事項については、次のとおりである。
【財政課】
1 剰余金積立てと地方債繰上償還について
地方財政法第7 条は「地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余
金を生じた場合においては、当該剰余金のうち 2 分の 1 を下らない金額は、これを剰
余金を生じた翌々年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の
償還の財源に充てなければならない。」と規定しており、剰余金は、これに基づき出
雲市財政調整基金及び出雲市減債基金に積み立てられている。
この2つの基金の平成26年度末の現在高は合せて約50億円(普通会計)であり、
平成 24 年 12 月作成の出雲市財政計画で示された「財政調整基金及び減債基金の残高
を最低限 20 億円は確保する。」とした策定方針の 2 倍以上の基金残高を有している状
後の国の『経済・財政再生計画』の動向や本市の財政見通し等から判断すると、一定
程度の基金を確保しておく必要があると考えている。」とのことであるが、本市の平
成 26 年度実質公債費比率は19.5%(総務省公表:全国793 市区中、悪い方から平成
26 年度 7 位、平成 25 年度 8 位)といった結果や、県内の市町村で唯一地方債発行に
県の許可が必要となる地方債発行許可団体であること、平成 26年度末の地方債残高
は約 1,188 億円(普通会計)であるといった憂慮すべき財政状況であることを考慮し、
「次世代に高負担を強いることにない持続可能な財政運営」のため、基金に積み立て
る適正額を定めたうえで、剰余金は積極的に地方債の繰上償還の財源とすることを検
討されたい。
2 基金運用益金の処理について
基金運用益金の処理については、出雲市基金事務取扱規程第 5 条で「基金を所管す
る課長は、基金の運用により収益を生じたときは、遅滞なく調定及び支出負担行為の
手続をしなければならない。」と規定している。しかし、財政課所管の出雲市財政調
整基金及び出雲市減債基金の運用益金については、定期預金の満期日と同日に調定を
行い基金運用収入としているものの、支出負担行為の手続によりそれぞれの基金に運
用益金を積立てたのは、調定日(収入日)から7か月後であった。「剰余金による積立
てや取崩しを年度末に調整し処理するため、基金の預金利子もその処理にあわせて一
括処理している。」とのことであるが、運用益金の処理については、すみやかに金融
機関に預け入れる等、規程に基づき遅滞なく処理されたい。
【管財契約課】
1 公用車の適正な管理について
公務の効率的な遂行のため、本庁、支所及び出先機関に多数の公用車が配置されて
おり、その使用が効率的、経済的に行われ、また管理が適正に行われることは重要で
ある。そこで、管財契約課が集中管理している公用車を対象に、管理や運用が適正か
つ効率的に行われているかについて監査を実施した。
公用車の管理、運用については、出雲市市有車両管理規程第1条に、維持管理を適
正に行い、その効率的運用により行政効果の向上を図る旨が規定されているが、車両
数や配置及び更新について定められた基準等はなく「車両数や配置は予約状況を見な
がら調整を行っており、今後も使用実態に即して管理していく。」とのことであった。
しかしながら、現在の使用実態の把握は、内部情報システムを用いての予約状況の
集計にとどまっており、「公用車使用申込書」に記録された実績の把握、分析は行わ
れていなかった。
このことから、「現在の車両数や配置は使用実態に即しており、適正であるか。」に
ついては、判断することはできなかった。
行政効果の向上を図るためには不可欠である。一方で、公用車は市の重要物品であり、
調達や維持管理には多大な経費を要することから、より一層の効率的な使用及び適正
な管理を行う必要がある。
そのため、使用実績の把握や管理経費の整理、分析等を行い、適正な車両数や配置
及び計画的な車両更新のための基準の作成を検討されたい。なお、管財契約課以外の
課等が管理するいわゆる「専用車」についても、この検討の対象とすべきことを申し
添える。
2 公有財産(土地)の有効活用について
地方公共団体では、公有財産のうち土地については、取得規模に応じて毎年度の歳出
予算が大きく変動すること、複数の権利者に影響が及ぶ場合は取得までに時間を要する
こと等の課題に対応するため先行取得が活用されてきた。本市においても、公有地の拡
大の推進に関する法律第17条第 1項第1号に基づく土地開発公社による先行取得及び
地方自治法第241条第1項に基づく土地開発基金による先行取得が行われ、市の計画的
な公共施設整備に貢献をしてきた。
しかし、平成26年度末における保有状況をみると、諸般の事情により今後の再取得が
見込めない土地も見受けられるようになってきている。これらの利用計画が明確でなく
なった土地は、市が普通財産として売却するなどの有効活用を図るため、計画的に再取
得を行うべきである。
【市民税課】
随意契約理由の検証について
本市では、平成21 年 1 月から地方税ポータルシステム(eLTAX)に参加、また、平
成22年12月からは電子申告及び電子届出サービス、平成23年1月からは国税連携
を追加運用している。以来、平成 26年度までは、これらに対応するための「地方税
電子申告支援サービス利用業務」は、地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1 項第 2 号に
基づく随意契約により委託が行われてきた。
しかし、同じ業務を行う他事業者からの価格提案等を機会に業務の内容を精査され、
また、他自治体においては競争入札により委託契約を行っている事例もあり、本市に
おいても、平成 27 年度から契約方法を指名競争入札に改め、5 年間の長期継続契約
を締結することにより、契約の透明性や公正性が確保され、契約金額も大幅に圧縮さ
れることとなった。
この施行令第167 条の 2 第 1 項第 2 号「その性質又は目的が競争入札に適しない契
約」該当の適否については、随意契約に関する標準的な解釈や指針を示したガイドラ
インを策定し、その中で「単に業務内容を熟知しており信頼度が高いことや業務に精
通していることの理由のみでは契約者に限定することができない。」とした自治体も
今後、当該業務に限らず「当該契約者以外の第三者に履行させることが業務の性質
上不可能であるか。」の慎重な検証が必要であり、全庁的に取り組むべき課題として
検討されたい。
【資産税課】
固定資産税賦課業務について
固定資産税の賦課期日については、地方税法第 359 条で 1 月 1 日とされ、更に同法
第 408 条で「市長村長は、固定資産評価員又は固定資産評価補助員に当該市町村所在
の固定資産の状況を毎年少くとも 1 回実地に調査させなければならない。」としてい
る。
本市においても、同法に基づき固定資産税賦課業務が行われているが、平成17 年
の市町合併及び平成 23年の斐川町の編入による固定資産(土地や家屋)の増加や行
政区域の拡大により、賦課業務実施には、膨大な時間と労力が必要となってきている。
提出された平成 24 年度以降の資産税課時間外勤務時間数一覧表からも、繁忙時には
人事課の定める時間外の基準時間(25 時間/月)を超過している実態や、業務遂行に
当たり、職員短期移籍制度活用や臨時職員による入力支援なども実施したことが確認
できた。
加えて昨今では、全国的に固定資産税賦課に係る住民監査請求も増加傾向にあり、
市内の固定資産(土地や家屋)の状況を計画的に調査し賦課漏れ等を防止することは
税の公平性からも当然である。
この機会に賦課業務全般を見直し、外部に委託できる業務の検討や、適正な職員数
確保に努められ、基幹財源である固定資産税確保のため法に沿った計画的で正確な賦
課業務実施に努められたい。
【収納課(特別債権回収室含む)】
今回の監査の範囲において、特に改善・検討を求める事項は認められなかった。
【会計課】
旅客運賃等支給について
旅費は、旅客運賃及び日当並びに宿泊料で構成されており、そのうちの旅客運賃に
は鉄道賃、船賃、航空賃、車賃がある。それぞれの運賃の支給については出雲市職員
等の旅費に関する条例第13 条から第 16 条で規定されているが、そのうちの航空賃の
みが「現に支払った旅客運賃による」として、概算払いで支給した旅客運賃について、
後日領収書等を添付し精算を行うこととなっている。航空賃についてのみ精算を行う
ことを出雲市職員等の旅費に関する条例で規定している理由は、「国家公務員等の旅
費に関する法律に準拠したためであり、航空運賃は、鉄道賃などと比較し割引制度が
とを踏まえ、このような規定になっているものと考える。」とのことであるが、航空
賃以外についても、JR の「トクトクきっぷ」等の購入により概算払いで支給された
旅客運賃よりも実際は安価な運賃となる場合もある。また、県内でも概算払いで支給
した旅客運賃全般について領収証の添付により精算を行っている自治体もある。
現在の旅客運賃の支給は、条例に基づき行われているため直ちに違法となる支出で
はないが、実費弁償を本旨とする旅費支給において、航空賃以外の運賃は実費弁償と
していない現在の旅客運賃支給方法について見直しを検討する必要があると思われ
る。
あわせて、現在会計課で行っている旅客運賃計算や各課で行う航空券などのチケッ
トの手配については「会計課に集約し、路程に運賃表を対応させる運賃計算など、機
械的に計算できる部分については、市販の旅費計算ソフトを活用し合理化を図ってい
る。また、チケット等の手配については、各課において必要に応じ旅行代理店を活用
していると理解している。」とのことであるが、これらの業務について民間業者に委
託すること等により、会計課はもとより各課においても事務量軽減が期待できること